Symposium2009

ミッション・ステートメント

パブリック・ドメイン資料(*ここでは単なる著作権切れの著作物という意味だけでなく、図書館、美術館、博物館などの公共機関に属する寄贈資料を含む)は、グーグルやマイクロソフトといったIT企業によって競うようにデジタル化が進められていますが、一方で、少数の民間企業がパブリック・ドメインの資料をコントロールすることが懸念されてもいます。これに対して、多くの米国大学、図書館、NPO機関は、企業に頼らない独自のデジタル化プロジェクトの推進を提唱しているところです。残念ながら、日本やアジア諸国では、こうした「懸念」が議論の遡上にのぼる機会が少なく、それ以前に、パブリック・ドメイン、及び、フェア・ユースの定義が曖昧です。

「パブリック・ドメイン」、「フェア・ユース」の定義と、活用のためのガイドラインを世界で共有し、消費材としてのコンテンツの著作権論議とは異なる、教育・研究目的でのデジタル化された資料をオンライン活用する環境を整えることが本シンポジウムの目的です。

インターネットは、民主主義を実現するためのコミュニケーション・ツールになり得るという基本理念に立ちかえり、ビジネス界、文化機関、市民社会の異なる分野の担い手を結びつける創造的ネットワークと対話の形成・促進を実現するため、私たちはこのテーマでのシリーズ・レクチャーを開催することを考えました。同時に米、欧、アジア地域でのディスカッション、準備会合を経て明確な論点を設定し、東京における公開シンポジウムを通じて、できる限り多くの人々と理念を共有することを目指しております。

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